2010年02月18日

<党首討論>政策論議置き去り 「政治とカネ」新味なく(毎日新聞)

 政権交代後初となった党首討論は「政治とカネ」に関する新味のない応酬が大半を占め、経済対策や財政再建などの政策論議は深まらないままに終わった。鳩山由紀夫首相は、自民党の谷垣禎一総裁には対決姿勢で臨んだものの、公明党の山口那津男代表が政治資金規正法改正に向けた与野党協議機関の設置を求めると賛同するなど、野党分断を図るかのような対応をみせた。【中田卓二、田中成之】

 首相と谷垣氏の討論は予定を3分上回る約38分となり、このうち約28分が首相の偽装献金問題などの「政治とカネ」の問題を巡るやり取りだった。

 谷垣氏は討論の冒頭、「昨日、確定申告が始まった。『首相が(偽装発覚まで贈与税を)払わなかったから、自分たちもいいのでは』との議論が(国民から)出ている」「庶民は『首相は免れるかもしれないが、自分たちなら(税務署は)畳までひっくり返して全部持っていく』と感じている」などと追及。首相は「納税を『ばかばかしい』という気持ちが国民に起きてしまったのは申し訳ない」と低姿勢を保った。

 討論後、谷垣氏は記者団に「納税を巡り国家の基礎を掘り崩すようなことがあり、きちんと説明するのが前提だ」と政治とカネにこだわった理由を説明した。しかし、やり取りに新事実はなく、これまでの国会質疑の延長にとどまった。

 民主党の山岡賢次国対委員長は「建設的な提言を、という思いだったが、いささかさびしさを覚える」と皮肉り、政界浄化の急先鋒(せんぽう)の社民党の福島瑞穂党首まで「政治とカネは重要だが、何十回とやった質疑とほとんど一緒。新しい点はほとんどなく、いかがかと思った」と苦言を呈した。首相も「私はもっと、命の問題、経済の問題、大所高所の話をしたいと思っていたが、なかなかそうならなくて残念だ」と首相官邸で記者団に語った。

 野党にも今回の追及は不評で、自民党中堅議員は「何度も聞いたやり取りで意味がない」と指摘した。

 討論後に首相と国会内で会談した共産党の志位和夫委員長は「ここから先が本当の党首討論ですから」と軽口をたたいた。

 ◇首相、公明に配慮も

 今回の党首討論には野党に転じた公明党が初めて参加した。首相は谷垣氏に対決姿勢をあらわにした半面、公明党の山口氏には政治資金規正法改正で花を持たせ、野党の足並みの乱れを誘うしたたかさをみせた。

 自民党は12日の衆院予算委員会で、与謝野馨元財務相が鳩山邦夫元総務相の発言を引いて、首相が実母からの資金提供を知っていた可能性を追及した。谷垣氏も「7年間、お母さんとそういうこと(資金提供)は全然お話しにならなかったのか」とただしたが、首相は与謝野氏と邦夫氏の微妙な説明の違いを逆手に取って、「自民党総裁としてどちらが正しいか調べていただきたい」と反論した。

 さらに、谷垣氏が北海道教職員組合から民主党議員への違法献金問題に転じると、首相は「谷垣総裁にも企業・団体献金の禁止に向けて努力をお願いしたい」と切り返した。自民党が企業・団体献金を是認しているのを承知したうえでの反撃だった。

 それに比べ、山口氏への答弁にはリップサービスが目立った。山口氏が、公明党が提唱している政治資金規正法改正に関する与野党協議機関について尋ねると、首相は「民主党としても設置に賛成したい」と踏み込み、会場の参院第1委員会室は一瞬どよめいた。終了後、山口氏は記者団に「与党が初めて明言したのは非常に大きい」と満足げに語った。

 公明党は今国会で審議拒否戦術をとらない方針で、自民党とは一線を画す。政府筋は「これでまた自公の溝が広がる」とほくそえんだ。

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小沢氏、事件に言及せず(時事通信)

 民主党の小沢一郎幹事長は11日、栃木県日光市で開かれた同党衆院議員の集会であいさつし、「『国民の生活が第一』というモットーに恥じないような政治を実現していきたい」と強調した。
 小沢氏の地方遊説は、政治資金規正法違反事件で元秘書の石川知裕衆院議員らが4日に起訴されてから初めて。あいさつは18分間だったが、事件への言及は一切なく、参加者から「辞めろ」とヤジられる場面もあった。 

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